IWABEメッセージ
第253回 男は度胸、女は愛嬌
明るい暗いということを己の性格のせいにする人が実に多い。自分は性格が暗いから仕方がない。彼奴は根が明るいから得をしている、などと言うのです。以前こんな人がいました。その人が席につくと一瞬にして暗い空気となり、いつも苦虫を噛み潰し眉間の皺がより深くなってきます。何か不満があるのか、それとも恰好いいとでも思っているのでしょうか。嫌な気持ちになったものです。顔というのは造作ではないはずです。それは表情なのです。表情は努力次第で変えることが可能のはずです。第一、生まれつき赤ん坊の時から怒ったような顔の人間はいません。表情というのは、実に大切なものです。表情を見れば、その人間の人となりは大体は分かります。表情は急に変えられるものではありません。日頃の積み重ねがあればこそ、いい表情が出てきます。だから、常に人から話しかけられやすいように心掛る必要が大切です。「男は度胸、女は愛嬌」という言葉がありますが、男性も女性も大切なことは愛嬌です。社内でいえば、周囲の人に緊張をあまり与えない雰囲気を持つ事も大切です。格好つけず、素直になると人が寄り集まってきます。そこには知恵をもたらし、日々の労働によって心は磨かれます。決して難しい修行など必要ではありません。会社の業務であろうと、家事であろうと粛々と倦まず弛まず継続していくことです。そのままで人格練磨のためとなります。日々の労働の中でこそ、心を磨き高め一歩一歩その道に近づくことが出来ると思います。
現場で働く鉄筋工の世話役の姿は美しい。太い38m/m。入り乱れる配筋、まるで神技です。一つの分野に自分の一生を託し長く地道な労働を重ね、技量と人間を磨いてきた職人には強く魅了させられます。「男は度胸」の言葉が当て嵌るのです。建設業の現場マンは卓越した技量はもちろんのこと仕事を通じて体得した揺るがない厚みのある人格、すぐれた洞察力、そしてその友情が醸し出す責任感と勇気を持っています。なんとすばらしい職業なのでしょうか。今日も現場はその度胸の姿が一杯です。ありがとう。