IWABEメッセージ
第8回 「日曜の夜ふかし」
伏見稲荷大社と岩部八幡神社への参拝を無事終えることができました。毎年、その土地土地の方々に大変お世話になり、恐縮すること頻りです。皆様には心より感謝申し上げます。いよいよもって人事を尽くすべく、エンジン全開、目標に向かって突き進むのみです。
さて、話は本当に突然変わります。
皆さん、「サザエさん症候群」という言葉をご存知ですか。
人気アニメの「サザエさん」は毎週日曜日の午後6時半から始まる30分テレビ番組で、丁度その頃になると「ああ、これで日曜日も終わりだ、明日からまた会社(学校)に行かなければならない」と思い、憂鬱になったり、心理的・肉体的不調を訴えるようになる症状のことを指してそう言います。
医学的には何やら難しい理屈があるのでしょうが、症状の軽重はともかく、誰でもそれらしき気分になったことはあるのではないでしょうか。
今でも思い出すのは、小学校低学年ぐらいの時に毎週日曜日に見ていたアニメ「グレートマジンガー」に続いてドラマ「日本沈没」の主題曲、夜9時からは「日曜洋画劇場」に流れていたオープニング曲とエンディング曲“So in Love”、と来てトドメが、シオノギ製薬提供、長門裕之・南田洋子司会の「ミュージックフェア」のテーマ曲。(一体どれだけテレビを見ているんだろう!)
「歌おう踊ろう今夜はみんなのラララミュージックフェアー、輝く喜び今夜は夢のラララミュージックフェアー」。(作曲は山本直純。彼は小澤征爾の友人で、「小澤よ、お前は垂直方向に音楽の高みを目指せ。俺は水平方向に音楽の普及に力を注ぐ」と語りあったと言います。)
ここまでテレビで見たり聞いたりして日曜日1日を終えると、子ども心にも何とも不思議な気持ちに包まれて就寝することになります。
「サザエさん症候群」は、なるほど確かに月曜日からの仕事や授業が嫌で、できればそこから逃避したいという憂鬱感から来ている面もあるかもしれません。しかし、私が思うに、それはむしろ日曜日という限られた休みの時間が終わろうとすることへの残念さ、勿体なさ、切なさ、寂しさ、もっと言えば日曜日との別れを惜しむ心持ちといったものが複雑に混ざり合うなかで、静寂の深夜に止まらぬ時の流れを感じる「心情」からこそ来るものに違いないのです。つまりは、素晴らしい時間を過ごしたことのまさに「裏返し」として現れることなのです。
限られた条件下で最大限知恵を働かせて精一杯の挑戦をしてみる。この試みは、与えられた条件が限られているからこそ価値があり、有意義なものになります。「遠足のおやつは200円まで」とされているからこそ買い物は楽しくなるのです。これが「金額無制限で青天井」では何の楽しみがあるでしょう。 また、仕事には工期なり納期があります。しかし、「何百年後でも気の向いたときに引渡してくれ」では何の達成感もやりがいも感じることが出来ません。限られた条件下で吟味して買った時こそ、おかしは最後の1粒までおいしいし、その最後の1粒はなかなか食べてしまえないほど勿体ないものに思われるはずです。厳しく限られた条件下で懸命に仕事を完成させた時こそ、引渡時に一抹の寂しさすら覚えることになるでしょう。
日曜日1日を有意義に過ごせたかも同じことで、上記のような「心情」を感じられれば、答えは無論「イエス」です。
そんな「心情」に浸るからこそ、ついつい日曜は夜ふかしをしてしまいます。これはまさに、日曜との別れの「未練」に他なりません。
でも何故か読書が進む訳です……。とは言え、ドラマ「ダウントン・アビー」第5シーズンも終わってしまったし、来週からは早く寝るように心がけたいと思います。
十分な睡眠は健康に不可欠と言われます。皆さんもご自愛のほどを。ご安全に!