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第223回 赤ちゃんポスト

 残念で堪りません。このところの社会問題です。三歳と一歳の子供を餓死させました。黄金色の髪とパッチリした目をした女性です。遊ぶ時間が欲しくて子供を放置しました。遊び場はホストクラブであり、収入は風俗店で働いて得ていたそうです。子どもの背中にライターの油をかけ火をつけて大やけどを負わせた父親。これまた、連行される姿は、女性と同じで輝く金髪に染め、金のネックレスをかけています。東京では111歳の長寿男性と言われていた人が約30年も昔に死亡していたと判明しました。白骨化したご遺体が放置され、家族は通帳から年金を引き出していたといいます。又、113歳の母親に80歳と思われる長女と弟達。二十年以上も母のことを語り合ったことはありません。残念ですがどこか日本が狂っています。すごく悲しいことです。これは、考えることではありません。はっきり言って、戦後教育の大失敗です。基本的な道徳倫理である原則が失われています。日本の伝統である道徳を蔑ろにする教育が原因です。個人の権利と自由のみを強調する結果、悲しむ現実が次から次へと発生します。家族をはじめ他人を思い、慈しむ人間教育への転換が急務です。テレビのチャンネルを切り替える辛さはもうごめんです。熊本のカトリック系病院である慈恵病院から赤ちゃんポストの設置申請を許可した熊本市の英断に敬意を表します。肩肘はったタテマエ的道徳はあいもかわらない政治家や役人の言動です。いま目の前で泣いている赤ちゃんをどうするかと求められています。生命に対する敬意と愛情を素早く措置しなければなりません。昔から日本では育てられない子をお寺やお宮の前にそっと置くことがありました。母親の気持ちは察してあまりあります。悲しい人間の性です。こんな本を読んだことがあります。フィレンツェは「無垢な子どもたちのための病院を設立する」と発表しました。その趣意書には「ここに受け入れられている子供は可哀想な捨て子ではない。この子供たちはフィレンツェ共和国の未来そのものである」。赤ちゃんポストを通して母と子を救おうとする国こそ「美しい国」ではないでしょうか。育てられない母親達のため、また不安定で人間味が欠如している社会に対して、反省をこめて思い切って書いてみました。

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