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第225回 男の矜持(プライド)

 近頃は目が冴えてなかなか寝つきが悪い。現場や社員の様子が頭に浮かびます。雨や風の音は嫌です。少々年を重ねたからでしょうか。そんな時は「浅田次郎」の本に手が届きます。なにが面白いのか分かりませんが、文字を追い懸けると、チャンスの掴み方や、人間の器量、そして本題の生きる理由にと辿り着きます。人生を考えることを男の矜持と信じ込む。つまらないことです。若い時分から自身の座右と言い聞かせていることがあります。その第一は「嘘はつかない」、第二番目はなるべく「愚痴をいわない」、そして「見栄を張らない」。この三点を守っていけば、男らしく生きれると思ってはいましたが、どっこいなかなか問題です。貧乏なのに金持ちの真似をするのははずかしいかぎりです。父親も祖父も分相応の見栄張りでした。センチュリーで運転手付。オットセイの襟巻。たしかにその通りです。嘘つかず、愚痴言わず、見栄張らずは、男子矜持でしょう。あきらめてはならない事であり、装うことを忘れたら男は醜くなります。そんなことなど考えていると眠気が襲ってきます。又、夢にでも出てくるかと思いながら、机の上に本を投捨てます。今夜はどうしても寝るぞと思いつつ「 おはよう御座います」と東の空が白白らしくなってきます。一年の元旦から晦日まで俺は俺だとしてと言い聞かせながら、又今夜も繰り返すのです。こんな御題目ばかりでは、楽になりませんが、ほんとうに楽になりたいと思うこの頃です。昔は、約束手形の落ちる日のことばかりが一大仕事で、問題点を思い出します。その行動とは早く楽になりたいばっかりに、すばやく事を済ませることのみ考えていたけれども、やはり焦っては事を為損じる、なにごとも手順よくやることが、一番安心で早く出来る間違いない処理方法である。それを信頼して頂くのはやはり銀行でした。不動産には哲学が必要です。値打ちで手離れの良さ、思い立った時には捌ける。いくら上等だって売れないものは土地では無い。売れない土地を持つことがすなわち不動産といのです。そして成功とは小額の積み重ねであり一攫千金は夢で終ります。こんな話しですみません。しかし、参考にして下さい。

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