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第231回 防災オンチ

 「大規模地震対策特別措置法」を御存知でしょうか。一名を「大震法」といいます。これは世界でも例がない地震予知体制を法制化したものです。残念ですが過去一度も予知出来たことはありません。そもそも駿河湾付近を震源とするマグニチュード8クラスを予知し、「判定会」の進言に基づき、首相が「警戒宣言」を発する手順を定めたものです。これに対して、東海地震を「対策強化地域」と指定し、そこに予算を集中させ恰も予知が出来て、人命は助かるしパニックの恐れなく行動出来うるという錯覚を与えてしまいました。阪神大震災がある日突然起こったのは、海溝型ではなく直下型地震だったということで大震法は廃止されませんでした。極端にいうならば、せめて予知を前提としないものに抜本改定すべきです。東海地震の発生は武豊が滅びる日と考え、「風邪をひくな。ウイルスに気をつけろ、ベランダに蒲団を干しておけ、ガスの元栓を忘れるな。電気釜は8時にセットしておけ」。これが予知以上の方法です。防災対策は「最悪に備える」ということであり、建物が壊れる前提で行動すべきと考えて、地震が発生したら直ちに机の下に潜れとマニュアルには書いてあります。2003年9月26日の十勝沖地震での避難アンケートでは、窓や戸を開けた、テレビをつけたが67%。机や食卓の下などに身を伏せたがたった1.2%のみでした。これこそ、認知的不協和の心理ではないでしょうか。家が倒壊したら、その荷重でほとんどの机が潰れます。犠牲者の大部分が圧死であることを忘れてはなりません。指定避難所に避難することが常識となっていますが、これは防災訓練そのものが間違っているといえます。周囲に火災が発生しようと、生き埋めの人がいてもただただ、その場所へ行くということは問題です。身の安全が第一として自主防衛を考えるべきです。それから、「停電のときは非常用ローソク 」 は大問題です。つまり悲劇のはじまりと考えるべきで、ライターに火をつけたとき漏れたガスに引火爆発することを忘れてはいけません。まだまだ多く問題があります。役所からの配布紙には今一度注意を要します。こんな川柳はいかがですか。「原発のともす灯一寸先は闇」。

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