IWABEメッセージ
第239回 無常に生きる
2011年3月11日に東日本大震災が発生、巨大地震と共に大津波で多数の死者と財産を失う。そして問題の原子力発電所の崩壊は、ただただ唖然とし、あの光景には、文字通り背筋が寒くなりました。10年前の2001年9月11日のアメリカの同時多発テロを思い出し、水素爆発と世界センタービルの崩壊の映像がラップしました。ただちに、「平家物語」の本文が脳裏を過ぎります。「おごる平家は久しからず」の一文です。世界の警察を自任し、制覇の絶頂期の傲りに対して攻撃が加えられました。独占的企業の甘えから、安全神話が崩れ去りセシウムが大量に降る。「おごれる国も久しからず」といいます。「盛者必衰」のことわりの答えは生者必滅であり、みごとに崩れさる現象です。平家物語は平安末期の武将である「平清盛」をリーダーとする平氏一門の興亡を綴った軍記物です。原発も同時多発テロも権力の「無常」だと思います。その犠牲になった人々はなんの罪もない庶民です。そこで歴史を思い紐とくことがこれからの生活の糧ではないでしょうか。
国を上げて復興、復旧です。しかし、一般庶民もまた地域建設業は特にこの姿が正しいのでしょうか。バブル時の経済と動向は同じであり、2~3年の夢から覚めたら大不況です。一時的に経済は東へ東へと移動します。地方の職人文化は破滅の始まりです。そこで、生きるための構築が直ちに必要となります。今こそしっかりとした地盤固めが問題となります。ここが重要です。「大丈夫だ、大丈夫だ。日本人は過去に大きな困難にあっても、それを見事に克服してきた。今回も問題は無い」とマスコミも政治家も声を大にする。必ず日本は復興する力が十分にあるのか?それは間違いです。大震災前の贅沢一筋の生活では無理だと思います。多額の赤字国債や、リストラ、自殺者が3万人と増税、ギリシャのごとく役人天国では復興は無理です。平家物語の如く「おごれる国も久しからず」。その通りです。「世の中に澄むのと濁るで大違い。福に徳あり河豚に毒あり」二度読んで下さい。皆様にはこの一年間のご労苦に感謝しご健康を祈念申し上げます。