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第245回 気配りと職場

 「なでしこ完敗、アメリカに1:4」サッカー女子3ヶ国対抗戦がスウェーデンのハルムスタードで開催されました。「気配りはどんなスキル(手腕)より役に立つ」とスポーツマガジンの見出しに書いてありました。日本の誇りである、なでしこジャパンの情景。PK戦で優勝が確定した瞬間、メンバーたちは、ピッチでひと塊になって抱き合い勝利を喜んでいました。ですが、その輪の中にいなかった選手が一人います。宮間あや選手です。彼女はどうしていたのでしょうか。敗れ去ったアメリカ選手のところへ行って挨拶をしていたのです。アメリカのモーガン選手がインタビューでこのように語っていました。「彼女は私たちのところへ来て、健闘を称えてくれた」。スポーツウーマンの鏡だといっていました。今度こそ、アメリカの出番にすると誓ったそうです。国は違えどもこの気配りこそ人間の宝であると思います。なでしこの強みは、こういう気配りのできるメンバーで構成されていたところにあるのではないでしょうか。憧れでもある澤穂希選手の神がかりの同点ゴールも、きめ細かい気配りのできるチームであったればこそ出来たことです。背筋が凍るほどの緊張感を感じたであろう状況で平常心を失わなかったのは、気配りが浸透していたからです。すなわち、気配りとは、絆を強くすることです。チームでも会社でも大切なのは団結力です。共通の目標によって固めるためには優良企業となることだけでは十分ではありません。団結力にも、ときには綻びが出来て結果が出なかったり、疲れたとき、個人間の行き違いが生じて、目標は一緒でも団結が緩むことがあります。そういうほころびを繕ってくれるのがまさしく「気配りの心」なのです。職場でいえばちょっとした笑顔で、仕事もはかどるし、よりよい業績も上げられます。少なくともその下地があるでしょう。お互いが切磋琢磨して技量を磨くことも大切です、チームワークで結果を出す仕事では、些細な気配りこそ大きな意味を持つと思います。第60期も過ぎようとしています。来期の基本姿勢は「気配り」といきましょう。ご安全に。

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