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第259回 いじめは卑怯だ

 滋賀県の大津市で中学生がいじめで自殺しました。テレビや新聞で報道され警察が教育委員会と学校へ強制捜査に入りました。隠蔽が行われた疑いがあったからです。見て見ぬふりをしていた教師、苛めと自殺との因果等を曖昧にし責任逃れをしていた学校や教育委員会とまさに卑怯のオンパレードです。4~5人テレビの画面の正面に立ち頭を下げました。はっきりと顔にでています。私には関係ないのにどうしてこの場所に立たなければならないのか。そんな態度と顔です。全国でこのような事件が起きるとマスメディアの論調はどこも同じであり、その言葉は、教師、子供、親の連携を深くしていじめを許さない体制を作り、子供には生命の尊さを指導すべきであると言うのです。根本の教育をなくしてどこかが狂っています。まさに「下呂温泉」であり湯(論)ばっかです。我々大人の世界も同類であり、人間の本性と言ってもよいでしょう。それは陰湿ないじめです。教育の指導で止める方法はないものでしょうか。
 昭和20年は半田小学校の一年生の時です。本もなければ食べることのみで精一杯でした。戦後教育の第一歩は教科書に墨を塗ることで始り、道徳は180度の変更です。しかし、陰湿ないじめが続いていたことは思い出せません。それはクラスでの「ボス」がポリスのように睨みをきかせていたし、いじめの初期では「もう、それぐらいでやめよ」「それ以上やったら卑怯だぞ」との声が徹底していたのです。まだまだ正義が分かっていたと思います。現在での変化はというとマスコミの正義を装ったリンチです。失言や失敗のみをオーバーに報道する。これがその発生源だと思います。今でも思い出します。祖父「岩五郎」の平手は豆だらけで、指の節は堅いがほんとうはやさしくて怖い人でした。「大勢で一人をやっつける」「男が女をやっつける」「強い者が弱い者をやっつける」「相手が謝ったり泣いたりしてもやりつづける」「武器を手にする」そして「弱い者がやられているのを見て見ぬふりをする」の6点は許されません。その理由は卑怯者になるからだと教えられました。これだけは約束してくれと言われたのは、「いかなる時でも他人の悪口を言うな」。頭を何回も撫ぜながら5円のコインをくれました。今は昔の話しです。

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