IWABEメッセージ
第261回 花を愛でる
「会長」と呼ばれるようになって早や2ヶ月が過ぎました。さびしいようであり年令を感じる時もあります。仕事はゼネラルですが営業本部長になることが望みです。今日は「このビル」で明日はあの社長と面談とまだまだ墓地まではほど遠いようです。人のやさしさに甘えるこの頃です。最近は会社を訪ねることが多いです。受付に花が飾ってある所は少なくなってきました。女性社員を配置して丁寧に歓迎する会社でも受付のデスクの上に花はなく殺風景というほかありません。又、紙とボールペンが置いてあり、訪問者に対して名前と会社名、そして訪問先の部署と用件までを書かせるところもあります。いくらセキュリティのためとはいえ味もそっけもありません。わざわざ足を運ぶのは、会って話をする必要があるからであり、アポイントまで取って調整しているのです。事務的な用であっても人間関係の重要性を認識しているからこそ、顔と顔を突き合わせようとするのです。来社を歓迎するという気持ちを表明することが必要です。にこやかさを加えて、それと妍(美しさ)を競わんとする生花を飾る必要があります。訪問してきた人もきれいな花を見れば心が和みます。「きれいに生けてありますね」とか「何という花ですか」と会話が交わされることになれば、これから面談する相手の思い遣りを感じることになります。それは明るさを見る事が出来るのです。せっかく花が飾ってあってもまったく関心も興味ない人がいます。肉体的な目の機能は働いているが、心の働きが停止しているのでしょう。ビジネスのことばかり頭にあり心に余裕がない。美しいものを見ても気がつかないということは、人生の大半を楽しまないでいることで、マネージの失敗です。この世に生まれたのは、詰め込み主義の勉強を一生懸命にしたうえに「ワーカホリック(仕事依存症)」になって走り回り、疲労困憊して身の不運を嘆くためではないでしょう。仕事の成立は「花を愛でる」ことで初まります。花には言葉があります。自然の営みから大自然の原理。宇宙の動きまで垣間見ることが可能です。いつも思うに、フジケン様はなぜ成功したのでしょうか。それは受付や応接室の花と人がウエルカムだからです。そんな気持ちが正しい答えかもしれません。