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第263回 プロの鎧

 南知多町出身の哲学者・梅原猛さんのエッセイを読む。十一面観音の正面の三面は慈悲の顔。右の三面は白牙を出している顔。そして左の三面は怒りの顔。背後の一面は大笑いの顔。やさしい慈悲の顔だけではいうことを聞かない衆生(いのちあるもの)のためには、時には怒り、時にはこらしめ、時には笑う。怒りもこらしめも笑いも、すべて慈悲ゆえなのであると書いてありました。観音様というと優しいイメージがありますが、その優しさには、怒りも含まれます。いうことを聞かなければ、ときには怒り、ときにはこらしめる。憤怒もあっての慈悲なのです。優しいだけの人間は、どうにも信用なりません。上司。誰しも部下には好かれたい。嫌われたくない。しかし、それも度が過ぎると、部下によく思われたいばかりに妥協や迎合をするようになり、叱ることもできなくなります。「いい人=優しいだけ」の上司は、甘くて楽だから、部下のウケはいい。しかし、部下がそれに甘えて、楽な上司でよかったなどと思っていたら、ひどい目に遭います。いい上司とは優しいだけの上司ではありません。仕事を通じて部下を成長させる上司です。人がいいだけで部下を育てられない上司は、実はとても残酷なのです。つまり、会社の業績に大きく貢献する斬新な発想力やとてつもない行動力を持つような人は、むしろ少々生意気で灰汁の強いタイプなのです。プロサッカーの本田圭佑選手も生意気といわれていますが「W杯4強」について、ベスト4でなく優勝を目指していいと思うと言い切りました。しかも、ミラノ(イタリア)にある「ACミラン」の入団インタビューでは流暢な英語で「自分はまだまだ成長する。成長しますよ」と大口を叩きました。エースナンバー10にふさわしく早くもゴールを決めました。大言壮語ですが、日本国民を奮い立たせる可能性は大です。そんな変わり者が社業発展させるのが、この建設業がです。「プロの鎧を着た素人たれ」と言う格言があります。仕事をやるには、この気構えは欠かせません。「慣れるな」をプロとして当然とした上で、心に新鮮さを持って仕事をしようでありませんか。ご安全に。

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