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第283回 責任をとる

 名古屋ドーム球場へ今年はなんと5回も観戦に出かけました。白字CDマークが入った紺色の帽子、応援用の短尺バット2本。そして、両腕を正面に出し、「ウォー」と気勢をあげて「平田、ヒラタ、ホームラン」と発生します。大人も子供も、そして女性も男もありません。楽しい一時です。しかし、残念なことに5戦とも連続して大敗です。こんなだらしないドラゴンズには腹が立ち悲しい限りです。野球評論家の豊田泰光さんは、新聞紙上でこう指摘します。「負けても無傷でいられる世界を大勢の子供達がみてどう思うか。負けというもののつらさを示さなければ、世のなかはどんどん甘くなる。プロ野球に出処進退を見せてくれとはいわないけれど、世間の悪い見本とならないでほしい。」はやくも、名代打で神様の小笠原選手、少々髪は薄いがヒット連発の名選手和田一浩、そして、東邦高校のエース朝倉投手が今季かぎりで引退。
 しかし、年初に落合GMが、山本昌投手、吉見選手等でのチーム成績が4位に終わったということで選手17名でなんと3億5千万円もカット。井端選手は税金の支払いが出来ないとして退団、そして巨人軍へ。あのファンファーレを聞くことが出来ません。
 トップの失敗の責任は無償であってはいけません。「一生懸命やった。意図したわけではない」などは関係ありません。どういう結果をもたらしたかという、ただ一点で評価されなければならないのです。そんな結果に対して潔い身の処し方を示すべきです。建設業界ばかりでなく。スポーツの世界もトップに立つ人間には「潔さ」が大切です。昔の武士なら、とっくに切腹ものであるはずです。
 フランス語で「ノーブレス・オブリージュ」という言葉があります。高い地位にいる人間には、その地位にふさわしい義務が求められるのです。それは「結果次第によっては、責任をとる」という意味です。「落日燃ゆ」という城山三郎さんの代表作があります。「広田弘毅」の生涯を描いた作品です。一切の弁明もせずに東京裁判でA級戦犯として死刑の判決を受け責任をとった物語で、夫婦愛のすばらしい姿も有名です。
 トップの責任について中日ドラゴンズ軍観戦で改めて勉強させられました。ご安全に。

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