IWABEメッセージ
第285回 謙虚こそ力
「光陰矢のごとし」と申しますが、今年もいよいよ余日少なくなりました。思えば、この一年間は、社員一同働きに働いて下さいました。また、お施主様に感謝すること、しばし。有難う御座いました。中間ではありますが今期の完成工事高は大台を突破することは確実と思われます。安全第一で来年6月末日を楽しみにしております。「不易流行」のお教えの大切さもまた同じです。「不易」とは変わらないということです。万古不易、千載不易とも言います。時代がいくら変わっても、不変なものがある、また変えてはならないものがある、ということです。以前、金剛組の社史を書いたことがあります。800年もの歴史を持ち現在も発展しています。何とすばらしい、の一言につきます。そして裏千家、虎屋はともに500年近くの伝統を有しています。ちなみに200年以上続いている会社が3000社もあります。韓国はゼロ、中国は9社だといいます。何百年も続く老舗の歴史を勉強すると共通なことがあります。その一つは、創業の理念を大事にしていくこと。その時代、その時代のトップが常に創業の理念に命を吹き込み、その理念を核に時代の変化を先取りしているということ。二つは情熱です。永続企業はトップから社員の末端までが、目標にむけ、情熱を共有している。三つは、謙虚です。慢心・傲慢こそ企業発展の妨げになることを熟知し、きつく戒めています。四つは、誠実。誠のない企業が発展した験しはありません。これは、一年中変わらないことです。ローマも大企業も質実剛健の風や信仰心、勇気、礼節といった意識が薄れて滅びました。東芝をはじめとする大企業ともなると生命体を維持発展させていくことがいかに難しいかも。考えさせられました。神社やお寺の修復をするため協賛、寄付した会社のうち50年存続したのはたった一社です。では100年後に生き残れるのは、どのくらいでしょうか。1000社のうち2,3社が定説だそうです。企業を維持発展させていくことがいかに難しいか。それをクリアするためには、謙虚にして慢心しないことと誠実の誠とこそが大切ではないでしょうか。この一年間のご苦労に対して心より御礼申し上げます。
すばらしい新年をお迎えください。ご安全に。